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うなぎは本当に無くなるのか

今年の土用の丑は一日しか無いという事で、結局最終的にある程度の値下げはなされたとはいうものの、基本的に今年のウナギは高かった。元々贅沢食材ではあったのだけれど、それにしたって例年よりずっと小ぶりな蒲焼が去年の一般的なものより三百円~五百円高いのだ。さすがにここまでくると、国産大好きの日本人とて、中国産でもしょうがないか、と見ればこちらもありえない値段。

稚魚が不漁だったのだそうだ。これでは天然ものだろうと養殖ものだろうと関係ない。

しかも中国をはじめとしたアジア各国が、ここ数年、精力的にウナギ漁に血道を上げている。別にそれぞれの国で急にうなぎ食が伸びているわけではない。すべて日本向けの、日本マーケット限定の乱獲なのだ。

かつて、我が国は、カップめんの具材として小海老を東南アジアから大量に輸入して、1~2種を絶滅に追い込んだ前科がある。

間に立ったのは一部の商社で、単純に地元の漁村に高価で買い付けるというお触れを出した結果、勤勉な東南アジア諸国の漁村がどんどん小海老を獲って、結果いくつかの種が地上から姿を消したのだ。

この反省から、海老漁に関しては種を保護しつつ、養殖も含めた計画的な漁が為され、今もカップめんにはフリーズドライの小海老が沢山入っているというわけだ。

この事件の場合、それまで単純に自分たちの必要量を採取していた地元の漁村が、突然の特需で資源を枯渇に追いやってしまったという経緯があった。無計画に買い上げを行った日本商社の責任も重かったと言わざるを得ない。その反省から、現在では地元の採取・生産の現場に対して「計画生産・計画出荷」という「技術指導」を行って自然界と人間社会の共存を図ってきたわけだ。

ところがウナギの場合、事は簡単にはいかない。サケやマグロ同様、ウナギも回遊魚なわけだが、彼らの故郷が総て特定されていないというのが現状だ。(一か所は、日本の学者によって突き止められたという近況があるものの)ウナギ養殖の技術は、基本的に天然の稚魚を採取して計画的に育てるというところを基本にしているため、稚魚がいなくなれば全てが水泡に帰してしまうのだ。

なぜ、ウナギの稚魚がこれほど激減してしまったのかというと、例によって特需を見込んだ東南アジアおよび中国の漁業が、無計画に乱獲に走ってしまったからに他ならない。もちろんこの特需というのは日本マーケットを視野においているわけだ。

ウナギなんてものは、世界的にも、中国や東南アジアの一部の地域で揚げ物にしたり、地中海で炒め物にしたりして食っていたわけだが、どこの国にしても「それほど旨いものじゃないよね」というスタンスで、我が国程積極的に欲していたわけではさらさら無い。

一方日本には江戸発祥のウナギの食い方というものがあって、まあ要するに蒲焼ですが、これがいかにも日本人の嗜好に合っていた。年中食えるものでもないし、江戸時代はともかく明治期以降は高級食材になってしまっていたから、なおさら「土用の丑」を楽しみにするという、日本の風物詩、文化にもなってしまっていたわけである。

で、この土用の丑に、日本人の大多数が一斉にウナギを食う。好きな人はもう年がら年中食う。これは世界的に見ても異常なほどの執着と言ってよく、だからこそ、てめーらで喰いもしない他国の漁民が競ってウナギの稚魚を獲りつくさんばかりに漁るのである。

我々は、自らの食欲の故に、また一つの食文化を失おうとしている。

思えばクジラがそうだった。あれはほとんど嫌がらせの外圧によるものだが、マグロもまたこの危機に瀕している。

しかしウナギの場合、これは早急に手を打たない限り、本当に地上から全ウナギが姿を消すピンチにあるのだ。

考えてみれば、今もクジラを我慢している我々である。我慢の甲斐あって、ごくたまに、クジラを食えるようにはなってきた。

また、これは外国の取引先の安全管理の不備に由来するものであったが、我々はつい最近「牛丼断ち」を余儀なくされた経験を持つ。

ウナギ保護に関する各国間の協議は至難を極めることが予想されるが、民間レベルでのフォローは決して不可能ではない。

我々の大好物のウナギを永遠に失わないために、あえて数年、ウナギをボイコットするのだ。外圧によってウナギを無期限禁止される前に、稚魚の絶対数が安定するまでウナギ断ちを日本人が一斉に行うのである。日本で売れないのであれば、当然ウナギ需要も冷え込むから諸外国も無理にウナギ漁など行わない。種も保護されるというわけだ。

あるいは配給制。日本国籍を持つ者は年間、土用の丑の日に限り、大人一人当たり一匹のウナギを食することができるというナニですな。これも「計画捕鰻」を可能ならしめる一つの策だろう。

問題はその間の技術の失伝であろう。鰻職人たちの技というものは、これは江戸以来連綿と続いてきた高度な「技」である。これをいかに伝え続けるか。

まあ、さびしい話だが、代用、という事になるのだろう。牛丼パニックの折り、豚丼が開発されたように、アナゴなり、ハモなり、サンマなりドジョウなりウミヘビなりで旨い蒲焼を作り続けることで、技術と味を守り続けるのである。あるいはそこから、新しい味が編み出される可能性もあるのではないか。

時代劇ファンにはおなじみの、坂本竜馬の大好物だったという軍鶏鍋。あのシャモという鶏もまた、絶滅危惧種となったため、天然記念物に指定されており、食の世界からはすでに失われた種であることは間違いない。

放っておけば、ウナギもそうならないとは限らないのである。

そういうわけで、とりあえず、今夜はさんまの蒲焼で一杯。


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